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<Let's dance!>
祭りがあるのか、この街で一番大きな公園には普段以上に人が集まり沢山の露店が立ち並び賑わっていた。
偶然立ち寄ったルークたちはその賑わいように驚きこそはしたもののガイが、たまには休息も良いんじゃないかというと、ルークが嬉々として瞳を輝かせた。既に意識が祭りへ傾いている七歳児に仲間は苦笑を零し、無理矢理同行させられていたアッシュは不機嫌そうに鼻を鳴らした。
陽が完全に暮れると同時にあちらこちらの街灯に明かりが灯り辺りからは音楽団の奏でる演奏で一層の盛り上がりを見せる。曲芸師が芸を披露する周りには観客が群れをなし、拍手を送る。
そうした賑わいの流れに身を任せてゆっくりと公園を回っていく。
ルークはフランクフルトを齧りながら、火を吹いたピエロの見てぎょっと目を剥く。思わず落としかけたフランクフルトを慌てて持ち直し、ガイがそれを見て笑っていたことに気が付いて頬を朱に染めた。
公園の奥には一際大きく開けた場所があった。
そこにはこの日の為に用意されたのだろう木製の舞台が置かれており、その上では人々が音楽に合わせて踊っていた。
男性が女性をリードして踊る様に、女性陣が羨ましそうな視線を送っている。しかしダンスには全く興味がないしそういった方向へ気が利かないルークは舞台を見て小首を傾げていた。ガイは何となく察していたようだったが女性に触れないので問題外。と、ジェイドが何を思ったのか、舞台の傍に一人佇んでいる女性の方へ歩いていく。何をするんだと仲間が見ていると、ジェイドは女性ににこりと笑いかけ右手を差し出した。女性は驚いたようにジェイドの顔と出されている手を交互に見比べていたが、やがて恥ずかしそうに俯きながらもジェイドの手を取った。やるなあ、だんな。ぼやくガイの隣で面白くなさそうにアニスが頬を膨らませ、なによぅ大佐、あたしたちじゃ不満なわけー?!などと文句を言っている。そのときジェイドがちらりとアッシュを見た。視線に気が付いたアッシュが眉間のしわを一つ増やす。ジェイドは女性をリードして優雅にステップを決めながら口端を持ち上げ相手を小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。次いで身体を反転させ、仲間に背を向けるとジェイドは舞台の奥へ行ってしまった。アッシュは悔しそうにぐっと拳を握り締め、長身の軍人が消えた方向を睨んだ。
「くそっ、来いレプリカ!」
「はぇ?って、ちょっ、あ、アッシュ・・・?!」
ぐいとルークの片腕を強引に引っ張り舞台へ上る。わたわたルークが引き摺られて行く様子を見ていたガイが
「だんなの挑発に乗せられたな、アッシュ」
ポツリと呟いた。
「俺、ダンス踊れないんだけど・・・」
「教養の一環として少しは習った筈だろうが」
「・・・いや、ダンスの練習はしょっちゅうサボって―――」
「この屑!」
「あたっ」
アッシュに小突かれ、ルークはむすっとする。しかしアッシュもダンスは得意ではないのか、足元の方へ意識を集中させていたのでルークの表情は視界に入っていなかった。すっと腰に軽く触れたアッシュの左手に、ルークの心臓が小さく跳ねる。右手は促されるまま、アッシュの掌と重ね合わされた。ぎこちなくステップを刻みだしたアッシュが少し上へあげて握り合っていた右手を軽く自分の方へ引いた。
「そこで左足を前に出せ」
「え、こうか?」
「~~~~~ッ!!!!!」
「あ!悪ぃ、大丈夫かっ?」
指示されたとおりにルークは左足を出したが、踏み出し過ぎてアッシュの足を思い切り踏んづけてしまった。わりと強く踏んでしまったようで、アッシュは声なき声で悲鳴を上げた。暫く痛みに悶絶していたアッシュが俯いて静かになった。何だか良くない雰囲気を本能で察知したルークは恐るおそる己の被験者へ声をかける。
「アッシュごめんな悪気はなか-―――-・・・っいっつ?!」
「・・・・・・・・・」
ルークが謝っていたその途中でアッシュが急に足を持ち上げ、そして勢い良く床へおろした。否、正確には床の上、ではなく、ルークのつま先へ。ピンポイントに攻撃されたルークもまた先程のアッシュと同じように声無しで絶叫する。周りには聞こえずとも同位体の脳内には悲鳴がガンガンに響いてくる。アッシュはしてやったりと薄く笑う。
ふん、劣化レプリカの分際で、わざとだかどうだかは知らんが俺の足を踏みやがって・・・!
何だよ悪気があってワザと踏んだ訳じゃねぇのに。やり返してくるとかマジありえねぇ!!
潰す!!!ぜってー潰す!!!!!
ぎんっ、と狂気で瞳を爛々に光らせ、赤毛二人はがっちりと手を掴んで相手を逃がさないように握り締めあう。ギリギリという音が聞こえそうなくらい強く掴まれた手を胸の間に、両者は鼻頭が触れるまで顔を寄せ合あった・・・と、思ったら足元へ同時に目線を落とす。そして相手の足を踏みつけてやるとばかりに上げられるまで上げた高い場所から足を振り下ろす。しかしお互いに寸でのところで回避し、すかさずやり返す。それを秒速で繰り広げ始めたのだ。
ガガガガガガッ!とブーツが木製の床を穿つ音がダンス会場へ音楽団の演奏の音以上に大きく響く。
常人の目には到底見えない速さで、かつ、大人気ない抗争をする赤毛は舞台上を移動しながらムキになって足を踏みつけようと暴走を続ける。ダンスを楽しんでいた一般人が何事かと足を止めて横を派手な音を立ててすり抜けていく赤毛を呆気になって見ていた。
舞台の外で傍観していたガイはあちゃーと額を片手で覆い、アニスは爆笑している。ティアは呆れて何も言葉が出ないのか肩を竦めるだけだ。ナタリアに至っては凄いですわ、足が何本にも見えますわ!と相変わらずの天然っぷりを発揮していた。赤毛と同じく舞台にいたジェイドも足を止めて周りが一切見えないまま、うがーと叫び声を上げてクルクル回っている二人を傍観していた。相手の女性もぽかんと赤毛を見ている。その女性へ一度視線を移したジェイドは再び赤毛を見て、おやと方眉を上げた。
足の踏みつけあいはそのままだったのだが、それが次第に上手い具合にダンスのステップへと変わっていたのだ。本人たちにも変化がわかったらしく、顔を見合わせるとアッシュがパッと左手を放し、同時に右腕を高く掲げた。必然的にルークの右腕も持ち上がる。アッシュは上げた右手を捻り、ルークをターンさせた。綺麗に三回転を決めたルークは目を丸くしながらも自分がされたように、アッシュにもやる。アッシュはするりとルークの右手を放しターンを見事に決めた。そのターンが終わりきらないうちに放したルークの右手を取って遠心力をそのままにルークを強引に引き寄せた。
吐息が掛かるほど間近に迫ったアッシュの顔に思わずルークの頬が朱に染まる。
華麗なターンを目にし、思わず歓声を上げた周囲に漸く気が付いた赤毛たちはビシリと音を立てて固まった。
その光景を眺めていたジェイドはふっと女性の方へ向き直ってにこりと微笑んだ。
「さあ一件落着したようですし、こちらもダンスを楽しみましょう」
「え、えぇ」
戸惑いがちに頷いた女性の腰へ軽く手を添え、周囲に紛れてジェイドもダンスを楽しみだした。
おてんば修道女と悪魔の出てくる某マンガのとあるシーンをアシュルクで
やろうとして見事に撃沈orz
大分原作と違う風になっているので、何をパロッたのかは解り辛いかと;;
ちなみにジェイドは実際は女性で、しかも誘われる側だったのを逆にしています。
08.31